福岡での仕事を終わらせて、夕方から急いで東京行きの飛行機に乗った。
雲海の上をまるでスケート選手のように滑る便に乗ったのは久しぶりだ。
雲が次第に薄くなり、その隙間から冨士が顔をだした。通過する時に迷わず
カメラのシャッターを押した。
最近はデジタル機器類の使用が制限されているので機内でのカメラにも
気を使う。当然ながらカメラ付き携帯の使用はダメである。
後ろの席からもカメラのシャッター音が聞こえてきた。
冨士は日本一の山。ですね。
落ち着いて食事をして頂きたいので全体照度は暗めの設定です。
しかし、そこは美しくおいしい料理を提供するレストラン。
会話を彩るテーブル面の明かりには手を抜くことは出来ない。
今や、暗くても美味しく見える灯はレストランには必須です。
しかも、それ以上に大切にしたかった事がここにはあります。
ゲストを取り巻く環境光が陰影を強くうち出すことなく存在する。
視覚に入る求めるべきすべての質を落とさずに心に染み入るよう
に感じる。アンビエントイメージとして滞在する時間を視覚的に
飽きることなく魅せる。これらの光を求めてひとつの灯とすること。
単独で見るとしっかりと主張している照明器具が包括的に捉えた時
にいかに主張しないようにするか。空気として溶け込みながら必要
な明かりを灯し、間接的に示唆するのではなく直感として居心地の
良さを感じることが出来るのか、それがテーマ。
エモーションな雰囲気、大切な人と一緒にいて感じる至福感。
特別にあつらえた照明器具、無駄な光を排除することにこだわった
既製品、それは対象・非対象を便宜的に区別するのではない。
店内に足を踏見入れる、ホールに入る、シートに座る、食事をする、
語らう、席を立つ・・、全てのシチュエーションを相対且つ包括的に
応える人の為の灯。その為の配灯。
すべてはゲストの裕福な時間の為に。
とあるブライダル会場用に製作させて頂きました大型スタンドライトはひな壇の
両サイドに配置することでごく自然に穏やかな雰囲気を持ちながらアイキャッチと
なってステージ上のカップルに注目を集めます。
布セードを通した柔らかな光そして壁面まで届くほのかな光。もちろんボーダー
ライトやフレネルのスポットライトでステージ上には十分な明るさはあるのですが
それを抑え、横顔を暖かく照らしお顔の表情を優しく見せるには最適のあかりの
ひとつである事は間違いないようです。
偏った言い方を許して頂けるのなら、照明デザインには2通りのアプローチがあります。
ひとつはゲリラ的な奇抜さでオリジナルをアピールする方法。ゲリラ的とは少々過激な
言葉ですので表現を穏やかにすれば革新的に置き換えても良いでしょう。スピードを
重視し短期決戦型のプロモーションにはお薦めです。話題性でマスコミも乗ってくる
かもしれません。もうひとつは外堀を埋めるようにゆっくりと静かに質を高める方法。
息の長いデザインで長期決戦型といってもいいでしょう。どちらが良い悪いではなく
企業が戦術としてどう捉えているかが重要な事です。
しかし今の時代、多くの企業が、生き残りをかけてどれだけ安く作れるかを競い、
雇用問題や環境問題の引き金になる戦略がベースになっている限り、どちらの
デザイン的アプローチをした所で行き着くところは同じ所のような気がします。
大量生産された安い商品に飛びつき短いスパンで大量廃棄を招いている私達
消費者にも大きな問題があります。今まさにそのシワ寄せを目の当たりにしている
わけですが。ここで改めて消費者の目で、次の世代に誇れる生活に戻さなければ
いけない時期じゃないでしょうか。
次世代に残す照明作り、それが僕の仕事です。
以前CGで紹介した特注スタンドが完成しました。
http://blog.lightonic.co.jp/?eid=57026←以前のCG
壁面に映る影はフィラメントの形状が歪なおかげで揺らいでいるようです。
心を穏やかにする上で必要なものは光よりも影だということがわかります。
明るさや経済性を追求することを否定はしませんが、人間にはもっと、
居心地の良い暗さを提供することが必要だと思う今日この頃です。
ベースには腐食させた鉄を使用し深みのある塗装で仕上げています。
図面上でクリア出来る問題でも構造や施工を十分理解していない為に
起きる問題や、施工や仕上げ技術が目指す品質のレベルに達していなかっ
たりと、完成までに常に悩み続けた作品です。
当然新しいものを作り出すための時間・技術・コスト、それぞれのリスクを
考えなければいけないことですが、考えすぎると間違いなく先に進まない
ので、過去の経験値+チャレンジ精神でスタートするわけです。
デザイン力の未熟さを知れば知るほど完成には程遠く、いつも締め切り
ギリギリまで粘ってしまいます。しかし粘るほど完成度が高くなるにつけ、
結果としてみれば間違いなく生産性は桁違いに低いレベルに陥っている。
企業として、日本一いや世界一の完成度の高い作品を提供して、この負の
スパイラルから脱却する事を目指して、今日も粘る。
照明計画をさせて頂いた住宅の方は、大変喜んで頂きました。先日竣工
写真の撮影を行ってきましたので、クライアント様の了解を頂いて後日
アップしたいと思います。
子どもの空手進級審査に久しぶりに出かけていく。年に一度なので1回見ないと2年ぶり。
子ども達が空手を始めて9年。最初の頃できていた股割りも近頃は出来ていない。
基本的に放任主義なので、『何やってんだよ』と心で思いながらもなにも言わない。
会場のセッティングを手伝いながら、気になる子どもは無表情。
緊張してるのか、やる気が無いのか、無心か。どこまで強くなってるのやら。
強くならなくても続ける事にも価値はあるので弱いなら弱いでもかまわないとも思っているが、
やるからには強くなってもらいたいのが本音。
若い帯の型の審査から始まる。しばらくして息子の登場。そしてお兄ちゃん(といっても3男)。
親の目から見ても2人は全然だめなのが分かる。若い帯の子達の動きのよさが目に付く。
今年は2人とも駄目だ。進級できないだろう。
午後から組み手による審査がはじまった。午前の動きからあまり期待はできなかったが
相手がいると気合が入るのか、見るだけでも手に力が入る程の健闘ぶりで意外。
上級の子にも臆することなく前に出ている。実践の方が好きなのか。
相手がいると意地を張るのは親譲りだなと思う。
その親は今、意地を張るのに疲れたので自分との戦いのランニングにはまっている。
子ども達の姿を見て、まだまだ負けられないと、今日も朝錬に出る。
これも意地なのか。
本日の練習
キロ6分ペースのジョグを2.2キロ
400mのインターバルを3本
クールダウンのジョグを2.2キロ
合計6.0キロ
約370キロカロリー消費
本日の体重 61.7Kg(少しリバウンド)
いつの頃からのデザインなのだろうか。今僕達が燭台をイメージすると
ルネサンス期以降の華やかな宮殿内部を昼間のように煌々と照ら
していたシャンデリアに用いられたアームやベースのデザインを取り入れた
形を思い浮かべるのではないだろうか。
真鍮鋳物で作られた支柱やアーム、蝋燭を立て流れた蝋を受止める皿、
いつも鏡のように磨き上げられ、揺らめく炎のきらめきをその起伏の中に
深く深く増幅させ、より一層存在感を高めている。
現在の多くクラシックスタイルの照明器具がその意匠を受け継ぎ、または
模倣し今に残し重厚な味わいを醸し出しています。
その古くからのデザインが受け継がれている現在の照明器具ではありますが
多くは1灯式のもので、2灯以上のものはほとんどありません。
燭台の多くが3灯以上の多灯なのに対しては明らかに偏ってデザインされて
いるのは少し残念です。。。と、いうわけで作ってみました。
日本ではあまり使わないであろう燭台では良いデザインが多く在ります。
大きすぎず、装飾過ぎず、高価すぎず、その多くの中から今回の現場にベストな
モノが選ばれ、照明器具として生まれ変わりました。
幅 24.4cm 高さ 36.0cm(ランプ含む) シャンデリア球10w×3(調光付)
イタリア製真鍮ベース
鏡に映ったペンダント照明を見ながら、深い林の中にどっしりと佇む老樹を
思い出す。どこで見た風景かは思い出せない。林の中だったのか、草むら
から林を覗いたのか。
くつろぐ老樹、静寂の陽だまり、やさしく流れる風。コンクリートのなかの
その安らぎは白木によるものなのか、和紙によるものなのか、それとも
白熱灯によるものなのか。
ハードであるはずの鏡は、その存在を消すことも無く空気と同化し優しさを
包み込んでいる。ペンダント照明でこだわったかんすの形が和の心へゆっく
りとそして深く誘うのかもしれない。
しっかりと、じっくりと、正直にモノをつくる。誰がではなく一人一人の
その気持ちが繋がる。
多くの人の手で角をとる。あたりをつける。少しずつ。ときにはおおきな
高まりを求めて。
無能であるが故にあらゆる可能性を求め、形にしてこたえる術がすべてである。
日曜日の午後5時過ぎ、子どもたちを連れて少し早めの夕食を近くの
洋食屋さんでとった。人気のお店で、6時近くになるとほぼ満席の状態に
なり、6時過ぎには店員さんたちは忙しそうに店内で動いていた。
そこの洋食屋さんへ行ったのは店の近くにいつも利用している古本屋さん
があり、3番目の息子が<なにか本を買いたいから本屋さんへ連れて行って>
と言ったからである。驚いた。
勉強はろくにせず部活や空手を生活の中心においていた彼の口から出た
言葉に。
今頃に村上春樹氏の『ノルウェイの森』を読んでいる僕は、そんな小説
初心者の中学生の彼がハードルを感じることなく活字に親しめるようにと、
村上作品の中から『村上朝日堂』を渡したが、<こんな短いのじゃなく、
ひとつの小説がほしい>と言って軽く拒否したので更に驚いた。
すこし嬉しい驚きであった。次に<パン屋襲撃>を渡す。またも不満そう
である。僕は少しはやすぎるかなと思いなおし。古本屋さんでいいかと
訊いた。<うん。いい。>と彼は答えた。
彼は古本屋さんで本選びに悩んでいる。<どれがいい?>と訊くので
<どんなのが読みたい?>と応えた。<警察とか探偵もの><ふむふむ>
最近の小説は全く知らないので、僕が中学生のころ読んでいた本を思い
だす。<大藪春彦や森村誠一は早すぎるかぁ>。結局、赤川次郎の中から
『探偵物語』を選び渡した。
少し中身を確認して<これで良い>と無表情に答えた。<これで?いい?>
<これで>の<で>にすこし引っかかりを感じながらそれを買った。
後で、高校生の息子にお勧めの作家を訊いたら、<山田悠介。>と答えた。
・・・知らない。
親として、子どもの<本を読みたい>という言葉を耳にすることは嬉しい
ことだと思った。
昨日は、木漏れ日の下でコーヒーを飲みながら読書をするような、気持ち
のいい休日だった。
自己都合のデザイン的満足に浸りながら、OKの連絡を待つ。
何も恐れることなく、何も準備することなく。何も疑うことなく。
充実した感覚は幼い頃に覚えた大人から褒められた記憶によって
形成されている。
無心で色を重ねる僕に対して大人の女性が目をキラキラさせながら言う。
『あなたって、絵が上手なのねぇ〜』
少し自慢だ。
『えへへ・・・。』
シャイな僕は返事にならない返事を返す。
一回目のプレゼンでNGをもらった後、電話口で話したideaを図面にしてCGにした。
悪くない。
長く考えても、出ないときは出ないし、長考が良い結果を生むとは限らない。
必要なのはインスピレーションと実行力。メモをとり形にすること。
簡単なことだ。(いつも分かっている事なのだけれど)
了解の返事が直ぐに来た。
一回目と2回目の違いは何だろう?1回目イメージが頭から離れない。
どこかで使おうと思って、ひとつ作っておこう。という衝動が起きる。
でも作らない。 次の現場も、またその次の現場もそんな照明は必要としない。
でも誰かが欲しがるかも。。。タダなら。。。そのために作るわけにはいかない。
そんなことを考えながら次の現場の締め切りが近づく。
変更はいつも突然やってくる。
竣工写真は後日。。。
新しいランニングシューズを買った。早く走りたくて。
走り始めてもうすぐ5年になる。未だにフルマラソンで4時間を切れず、
大会に出ては、早くも無く遅くもない。本当は遅いのだが、関門には
引っかかったことがないという意味で今回は遅くもないと言わせて頂く。
自分では頑張っているつもりでもサンデーランナーの平凡な記録のまま今に至っている。
先日のハーフマラソンでも思いのほかタイムが伸びない。
最近薄れいく記憶をたどり何故かを考えてみたら見えてきた。
過去5年間で一番早く走った時の体重が一番軽かったのを思い出す。
やはり体重をコントロールすることが速さへの近道なのだろう。
摂取カロリーをコントロールし、体重は自然に落ちるとして、
さらに軽くするのはシューズしかない。ということで、ふと立ち寄った大型
スポーツショップで旧タイプの特売をしていたadidasのadizero CS4を迷わず購入。
このadizeroは片足250gの軽さ。今使っているnikeのSTRUCTURE TRIAXは350gなので、
両足で200gの大幅ロス。それでいてクッションや安定性もよさそうなので来月の
50キロマラソンが更に楽しみになった。
しっかり練習をして、今年こそサブフォーを達成したい。
製作といっても、1個だけの製作ではコストがかなり高くなってしまうので、設計図だけ
ライトニックで作り、製作はお客様に御願いする形をとっています。
しかしながら実際に製作まで行わないと、図面が本当に正しいのか製作する上で支障がないか、
構造上の部材の選択や部品との取り合い等、試作を何回も重ねるので、実際に製作するのと同じ
くらいの労力が必要だとわかりました。
基本的には紙と糊と灯具だけなので簡単に作れます。
作っていくうちに段々と楽しさが増して行きます。学生の頃、課題で余った紙を利用して、
裸電球のシェードを作った事を思い出していました。こんなに簡単に灯り作りが楽しめるとは、
新発見です。
近い内に<簡単!灯り作り>なる講習会でも開こうかと思っています。
そのときには、これをご覧の皆さんも参加してくださいね。
ちなみに2個写った画像の色味が違うのは一つに白熱ランプ、もう片方に蛍光灯を使用している為
です。どちらが白熱ランプか分かりますか?