とあるブライダル会場用に製作させて頂きました大型スタンドライトはひな壇の
両サイドに配置することでごく自然に穏やかな雰囲気を持ちながらアイキャッチと
なってステージ上のカップルに注目を集めます。
布セードを通した柔らかな光そして壁面まで届くほのかな光。もちろんボーダー
ライトやフレネルのスポットライトでステージ上には十分な明るさはあるのですが
それを抑え、横顔を暖かく照らしお顔の表情を優しく見せるには最適のあかりの
ひとつである事は間違いないようです。
偏った言い方を許して頂けるのなら、照明デザインには2通りのアプローチがあります。
ひとつはゲリラ的な奇抜さでオリジナルをアピールする方法。ゲリラ的とは少々過激な
言葉ですので表現を穏やかにすれば革新的に置き換えても良いでしょう。スピードを
重視し短期決戦型のプロモーションにはお薦めです。話題性でマスコミも乗ってくる
かもしれません。もうひとつは外堀を埋めるようにゆっくりと静かに質を高める方法。
息の長いデザインで長期決戦型といってもいいでしょう。どちらが良い悪いではなく
企業が戦術としてどう捉えているかが重要な事です。
しかし今の時代、多くの企業が、生き残りをかけてどれだけ安く作れるかを競い、
雇用問題や環境問題の引き金になる戦略がベースになっている限り、どちらの
デザイン的アプローチをした所で行き着くところは同じ所のような気がします。
大量生産された安い商品に飛びつき短いスパンで大量廃棄を招いている私達
消費者にも大きな問題があります。今まさにそのシワ寄せを目の当たりにしている
わけですが。ここで改めて消費者の目で、次の世代に誇れる生活に戻さなければ
いけない時期じゃないでしょうか。
次世代に残す照明作り、それが僕の仕事です。